超記憶症候群だって

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1126445.html
長年にわたってその日の克明な記憶を思い出せてしまう(または忘れることができない)なんて、うらやましい能力なのかな?

彼女は自らの人生をテレビのスプリット・スクリーンのようだと言う。今現在の彼女の行動を映し出す画面があり、他方で自分では制止することができない記録していく画面がある。
1980年以降の出来事の詳細―何時に起き、誰と会い、何をして、食事で何を食べたか等―が、彼女の脳内にしっかり閉じ込められて、歌とか匂いとか、あるいは地名等々日常のごくありふれた何かを引きがねにしてそれらがどっと放出されてくるのだ。

自分も十台の頃とかの記憶が何かのきっかけになって、その頃感じていたことや考えていたこと。その時の気分、感情、匂いなんかが克明に思い出されることがあるのだけど(そうめったに無い)、引用先の彼女のはもっとそれがもっと強いということらしい。それがいい時の日の記憶だったらいいけど、いやな日の記憶までどっとよみがえってきたらたまらないと思うけれど。普通の人は何かを思い出そうとするのに、そうしようと意思を働かせるわけだけど、この人は今現在起こっていることを意識する以外にそうしようと思わなくても勝手に過去の記憶がどんどんと思い出されて自分で制御できないという状態のようだ。


記憶は脳が行うと思われているが、大脳生理学が進んでやがて「記憶物質」・・・脳のここの部位にあるナントカというタンパク質がそうだと特定されても、どうしてその物質によって我々が過去を想起できるのかというのは謎のままだ。
私含めて普通の人はある記憶の何を覚えて起きたくて(試験の問題など覚えておきたいが)、何を忘れたいか(嫌なことなんか)を、自分で制御できない。


記憶というのは面白いもので、

川上未英子の純粋悲性批判 曖昧な、あまりに曖昧な


で、まだ学生の頃に、友達とふたりで海にいったことがあって、
疲れたし塩水でべたべたやし、もう帰ろかということになって、
夕方やで、とかゆって砂はらってたら、ちょっと犬がね、けっこう大きめの雑種の犬が、
狂ったみたいに、波にぶつかっていってんのん。ざばーんと走ってって。
で、またぶわーって浜に戻されて、それでまたぶつかりにいってんのんよ。それを口から泡吐きながら一匹でなんでかようわからんけど、ずっとやってるわけ。で、なあなああれみてみーとかゆうて、
ちょっと離れたとこから二人でみててんけど、終わる気配がないのよ
(中略)
で、この前その友達となんか話ししてて。
あんときな〜って話になったのよ。
そしたらその友達がさ、
そんな事実はないってゆうのよ。

え!ってな感じで、
わたしびっくりして。は、何ゆってんの。なにゆってんのよおったやん、バナナ吐いたやん、っていくら説明しても、そんなこと知らんってゆうのよ。
えー、どこまで本気、ってゆって、そんなんで嘘ついても笑えるとこちゃうし、友達もマジで知らんみたいやねんなあ。

けれども、
わたしはもうずっと長くその海でのこと、犬のこと、吐いたバナナのこと、思い出せへんくらいに当たり前に、普通の過去の出来事、
全部わたしのちゃんと経験した思い出として今まで取り扱ってきたわけ。

この話は自分が現実にあった過去がどうやら自分の夢であって、夢で見たことが現実に起こった記憶だったとずーっと思っていたというわけだ。
記憶って何なのか?過去って何なのか?
記憶=過去か、記憶≒過去なのか?
超記憶症候群の人の記憶は、本当に正しかった過去なのか?