地上最速の自動車

スピードへの挑戦というテーマが好きです。オリンピック陸上競技100mを見てもわかるとおり、速いのはとにかくエラいのです。それがなんの役に立つのか?とは愚問です。とにかく速いのはエラい!


音の壁を破ったのはチャック・イェーガーが操縦するX-1というロケット機ですが、地面を走る自動車でも音速は破られています。
地面を走る以上、路面との摩擦が大きな障害となりますし、空気の薄い高空を飛べる飛行機と違って、一番空気抵抗が大きい地面で勝負しなければなりません。
現在、世界最高速の自動車は、イギリスのジェットエンジン搭載の自動車、Thurst SSCです。

Thurst SSC

1997/10/15 時速1228km、時速763マイル、マッハ1.016を達成。現在の世界最高記録です。
Thurst SSCの車上カメラからの映像。ジェットエンジンの排気が赤くなってくるところがかっこいい!

これは音速突破の証拠であるソニックブームが聞こえてきてチームスタッフが喜んでるところ。感動的です。

この動画の15〜17秒あたりで、音速を破ったときの衝撃波が車体の両側に発生しているのが見えます。


スピード記録は国際自動車連盟(FIA)のスピード競技のルールに則っていて、1時間以内に1kmと1マイルの区間を往復で走って平均速度を計るという方法です。つまり、いくら速くても1回走っただけではダメ。Thurst SSCもそのルールで走ったわけです。記録の再現性を求めているわけですね。となると、自動車のスピード記録はロケットエンジンを使って1回だけのスピードを追求してもFIAには認められないわけです。
厳密なルールに従った上で記録を求めていくところがイギリス人らしいのかもしれませんが、なんでもありにしてとにかくスピードを求めるという方向もあります。それがアメリカ人らしいやり方です。ロケットエンジンを搭載し、音速を破った世界初Budweiser Rocket Car。
1979/12/17 時速1177.9km、時速731.9マイルを達成。

WIKIによると、液体燃料と固体燃料のロケットエンジンとあります。ロケットエンジンではもう一回走るということができないわけですね。


Thurst SSCのチームがさらに速い自動車のプロジェクトを進めています。
Bloodhound SSCだっ!
http://www.bloodhoundssc.com/

狙う速度は時速1000マイル(時速1600km)、弾丸より速く!だそうです。
Bloodhound SSCの意義を熱く語るプロジェクトディレクター

意義はともかく、とにかく速いのはエラい!

マッハ1.02 地上最速の男たち (エイ文庫)

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