PC昔話その1

最初に買ったパソコンはエプソンのPC-386MというPC98互換機だった。まだ日本国内はNECのPC98の帝国でやっとDOS/V機が普及し始めたころだ。OSはMS-DOSが一般的で、黒い画面のコマンドプロンプトにコマンドを打つことでアプリの起動やファイルのコピー、削除、すべてコマンド入力で行っていたのだった。たとえばこんな感じ。

>copy a:\filename .
 (フロッピーディスクのfilenameというファイルをカレントディレクトリにコピー)
>del filename
 (filenameというファイルを削除)

もちろん圧倒的に不便だから、ファイラーというカテゴリのソフトを使用するとアプリの起動もファイル管理も非常にやりやすくなる。このころはFDを使っていた。またコマンドプロンプトを使いやすくする常駐ツールもいくつか使っていたので、コマンド入力もそれほど苦ではなくなり、明日から仕事でMS-DOSマシンを使えと言われてもそれほど困らない自信はある。
そのパソコンももっぱらゲーム機として使うのが主で、大戦略なんかで1日何時間も浪費することもあったが、もっと面白いソフトを発見する。Cコンパイラだ。


Hello, World!


Borland Turbo C++で、やはりそんなプログラムを、最初に書いた(作法通り)。
Turbo C++はそのころ\19,800だったか?ともかくPCで遊ぶソフトとしてはこれほどコストパフォーマンスの良いものはない。エディタは超高速で動作するVzエディタだ。PC98とVzエディタ、それに優秀なオンラインソフトを組み合わせた環境は、今考えても最強最速の日本語テキスト編集環境だと思う。これに日本語Windowsが追いついたのはだいぶ後になってからのことだ。
ところが世の中はWinodowsの時代になりつつあり、当時のバージョンはWindows3.1。PC-386Mのマシンパワーでは動作させることはできても快適には程遠い動作条件であり、それでもCPUアクセラレータとメモリ増設で頑張って使ってみれば、WindowsDOSとは別次元の環境であった。解像度は600x400ドットという狭いWindowsであったが。
Windowsを本格的に使ってみたいという気持ちと、そのころ急速に日本市場に台頭しつつあったDOS/Vマシンへの興味から、DOS/Vマシンを思い切って買ってみることになる。
つづく・・・かな?