私はこんな駅で寝てきた

ステーションビバーク、という言葉は普通の人になじみがないに違いない。ビバークとは登山用語で「露営」、つまり野宿である。ステーションビバークとは鉄道の駅で野宿すること。駅の待合室や軒先で寝袋に包まって寝ることである。略してステビ、STBともいう。
なんでそんなことをするかというと、登山に鉄道などの公共交通機関を使った場合、その駅から山に向かう始発のバスに乗るためや、ローカル線の始発に乗るために途中の駅で眠るのである。休日の朝出かけて行っては山にあてる時間が短くなる。たいてい金曜の夜にやるのだ。最終電車が過ぎた後に寝床の用意をして、始発電車が到着する前に片付けるのがマナーである。
登山しない普通の人にこの話をして、今まで寝たことのある駅を挙げてみたら駅で寝るのは驚愕の事実であるらしい。
では今までSTBした駅を挙げてみよう。


松本駅(JR中央線)
茅野駅(JR中央線)


定番である。松本駅北アルプス上高地方面に向かうためにこの駅で寝る。下山してきて電車を逃したときも寝た。茅野駅八ヶ岳に行く時だ。今は亡き新宿発23:50の急行アルプスに乗ると茅野駅はAM3:00過ぎに到着する。始発のバスはAM6:00だ。わずか3時間の仮眠をとる。冬などは待合室のストーブに火が入っている。朝に駅員さんが灯油を補給するため、まだ眠っている登山者を起こさないよう足音を忍ばせてやってきた。急行アルプス亡き今、そんなやさしい光景はもう見られないのだろうか?


小淵沢駅(JR中央線)
韮崎駅(JR中央線)
信濃大町駅(JR大糸線)
海ノ口(JR大糸線)
長野駅(JR信越線)
静岡駅(JR東海道線)


静岡駅は軒先で寝ていた。この中に私のふるさとの駅が含まれている。あれはけっこう恥ずかしい経験だった。


水上駅(JR上越線)
湯檜曽駅(JR上越線)
土合駅(JR上越線)
土樽駅(JR上越線)
六日町駅(JR上越線)
浦佐駅(JR上越線)
長岡駅(JR上越線)
新津駅(JR信越線)


湯檜曽駅土樽駅は、JRではなく車でその周辺に行くと泊まり場所として使うことが良くある。
越後湯沢駅では建物内で寝ていると駅員さんに追い出されるそうだ。それがふつーだろう。あまりマナーの悪いことをしてはいけない。


鳩ノ巣駅(JR青梅線)
高崎駅(JR上越線)
山都駅(JR磐越西線)


高崎駅は巨大なダルマの横がいつも寝る場所になっていた。終電を逃したおじさんとかがよく近くで寝てたっけ。駅が改装されてあのダルマは今はもうなくなったようだ。
まだ他に寝た駅があったと思うけど思い出せない。う〜ん、今日はここまで。



上越方面の山ヤの定宿? JR土樽駅
「トンネルを抜けると雪国だった」の、上越線清水トンネルの新潟側の最初の駅である。当然無人駅。
上越新幹線があるため清水トンネルを抜けていく客車の本数はめっきり少なくなりましたが、貨物輸送は健在なので夜中によくゴーッと貨物列車が通過していきます。
ジュースの自販機完備。以前、この自販機には「あんまり温まってません」と親切に書かれていましたが(事実、缶コーヒーはぬるかったのですが)、今はちゃんと温かいのを出してくれるようです。
洗面所の水は沢の水を引いているだけなので飲まないほうがいいです。変わりに駅の近所に清水トンネルから大量に湧いて出てくる水を汲める場所があります。