阿佐ヶ谷の穂高書房

所用で阿佐ヶ谷の穂高書房へ。
阿佐ヶ谷は以前住んでいたので駅前の変わりっぷりには驚いた。阿佐ヶ谷は賑やかで華やか。中央線沿線の猥雑さとモラトリアムを許容するような雰囲気は未だにあこがれている。新宿駅発の白馬行き「あずさ」に乗れば、八ヶ岳や北アの麓までたった数時間だ。それを横目にして逆方向に向かう通勤電車に乗っていたのである。ああ、あっちの列車に乗れば山なのに。つくづく目の毒なのだった。
さて今年で40代に突入し、30代が終わるのだが、この10年は長かったなあ、と思った。この10年から山を取ったら、人生の重大な出来事の7割近くはなかった・・・この10年をもう一度繰り返せといわれたら、しんどいだろうけれど、記憶を全部抜いた上でまたやりなおすなら、それも悪くない。
40代ともなると、モラトリアムもあと40年。じわっとくる。


阿佐ヶ谷に山岳図書専門の穂高書房はある。2〜3畳くらいの小さい店に、雪崩が起きそうなほど山岳関連書が積まれている。なんで山関係の本はこんなに多いんだろう?一般書籍から自費出版、山岳会の会報、稀覯書、そこの親父さんは山岳関連書の生き字引だ。山の本の話をしだすと止まらない。ドアに山のウェアと靴が干してあった。もう日帰りの山しか行かないと言っていたけれど、それでも「現役」なんだなあと思い、山から遠ざかりつつある我が身を顧みる。
[:W600]
阿佐ヶ谷の中杉通り